外来に通院している2型糖尿病患者の病気への対処
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概要
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本研究は、外来に通院している2型糖尿病患者が、どのように病気に対処しているのかを明らかにすることを目的とした。平成13年1月から4ヶ月間かけて、兵庫県内1施設の外来に通院している2型糖尿病患者9名を対象に、インタビュー法及び参加観察法を行った。その結果、外来通院中の2型糖尿病患者の病気への対処に関して、「状況に身をおく」「生活時間に組み込む」「自分の身体をみる」「自分をみてもらう」「サポートを受けとる」「自分を原動力にする」「身体の障害や加齢によりできない」の7つのカテゴリーが明らかになった。「状況に身をおく」とは、糖尿病の療養をするために、習慣的に身についたものをつかったり、人との関係の中から身につけたものをつかったりすることであった。「生活時間に組み込む」とは、病気に対処するために、時間の軸を中心にして生活時間を組み立てたり、普段の生活を軸として療養が生活時間に入り込むことであった。「自分の身体をみる」とは、患者が病気に対処していく中で、身体を実感したり、対処のために数値を目安にしたり、身体の反応をとらえることであった。「自分をみてもらう」とは、患者が、医師や自分の身近なまわりの人に関心を向けてもらうことであった。「サポートを受けとる」とは、患者が、身近な人からの気遣いを実際的なサポートとして受けとることであった。「自分を原動力にする」とは、糖尿病の療養について思考したり、病気に対処していく意志をもつことであった。「身体の障害や加齢によりできない」とは、身体の障害や加齢による身体機能の衰えによって、病気への対処が困難になることであった。これら糖尿病患者の病気への対処に関する7つのカテゴリーは、糖尿病の療養を身につけること、糖尿病を生きる体験の深まりに関係していた。
- 兵庫県立大学の論文
- 2004-03-31
著者
-
野並 葉子
兵庫県立看護大学
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漆坂 真弓
元 兵庫県立看護大学 成人看護学
-
森 菊子
兵庫県立看護大学 成人看護学
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田中 和子
医療法人健和会綾瀬訪問看護ステーション
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添田 百合子
大阪警察病院
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森 菊子
兵庫県立大学看護学部成人看護学
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野並 葉子
兵庫県立大学看護学部
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