消費者行動研究における知識転移概念の再検討 : カテゴリー・ベース処理と類推
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
知識転移概念は,新しい対象に直面した消費者が,事前知識を有効に利用することによって,知識獲得,知覚,評価を簡便に行う過程を記述する概念である。既存研究を概観すれば,知識転移に関する研究は,カテゴリー・ベース処理概念に関するものと,類推概念を扱ったものとに大別される。類推概念は,カテゴリー・ベース処理概念に対する批判として消費者行動研究に取り入れられてきたにもかかわらず,近年,両概念の類似性を強調する研究が見られる。本稿では,これら2つの概念それぞれの特徴と限界,および両概念の相違を検討した。その結果,「アクセスにおける制約」,「転移要素の種類」,「知識転移の可能な範囲」という3つの点において両概念が異なることなることを示した。さらに,これらの考察に基づいて,本稿の理論的および実践的示唆について議論し,当該研究領域における将来の方向性と課題について論じた。
- 2004-06-15
著者
関連論文
- 双方向マーケティングとメガネット : ネットワークが形成するネットワーク
- 消費者のイノベーション採用行動に影響を与える要因 : 消費者革新性概念についての再考
- インターネット小売業における肯定的要因と否定的要因、および市場における結果(海外ジャーナル抄訳集 No.2)
- 消費者行動研究における知識転移概念の再検討 : カテゴリー・ベース処理と類推