文化移動と変容の型
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概要
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どの社会集団もその伝統文化形成の段階で他の社会集団からの文化の受容と変容を行っている。ここに収録されている論文では,「外来文化の受容と変容の型」が,歴史的な,また現在行われている「文化の移転と変容」という現象との関連で検討される。以下各論文での具体的な事例の検討に入る前に,本論文では「文化の移転と変容」に関する一般的な議論が展開される。まず,文化移転を送り出し側の社会から見た移転と受け入れ側の社会から見た移転に分け,さらに二つの社会集団間の対応の特色から「強制」「説得」「借用」「合成」という四つの文化移転の型が引き出される。次に,移転された文化は移転先の社会で何らかの変容がされた後受容されるのが常であるが,その変容の範囲や程度を決める要因は何なのかが議論される。具体的には,文化を「自然環境,社会環境,精神環境との関係がどうあるべきかについて社会集団の成員がもつ考えを表象するシンボルの総体」として見る文化の記号論的な視点から文化変容の過程を検討することで,文化変容の範囲や程度が社会集団を取り巻く自然環境,社会環境,精神環境の特徴と関連していることが示される。
- 龍谷大学の論文
- 2004-03-25
著者
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