「自我の完成」への助成と短大教育 : 自我の変容過程に関する実証的研究を踏まえて
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概要
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青年期後半に位置する若者が生活を展開する短大教育を「自我の完成」への助成としてとらえた時,われわれの短大教育に何が求められているのかを,少しでも明らかにしたいという目的意識をもち,短大生活2年間における自我の変容の過程を実証的な方法を用いて検討した.その結果として,短大生活2年間というものが,「自我の完成」の構成要素のうち,青年期の発達課題としての「同一性」の確立と成人初期の発達課題としての「親密さ」の達成に深く係わっている事実が判明し,それらを通して短大生活2年間という枠を越えた,より長期的な問題としての「自我の完成」へと通じていることがわかった.さらに,「同一性」の確立と「親密さ」の達成の相互の関係では「同一性」の確立が「親密さ」の達成の前提条件であることが,判明した.これらの事実を踏まえて短大教育を「自我の完成」への助成という観点からとらえなおす時,短大教育は青年期の発達課題としての「自我同一性」の確立(「私」の確立といってもよい)に寄与するために,その情報と場所を提供すること,また「同一性」の確立を通して成人初期の発達課題である「他者との親密な関係」の達成へ円滑に移行できるよう援助することが重要な課題としてかせられることになる.
- 名古屋文理大学短期大学部の論文
- 1992-04-01
名古屋文理大学短期大学部 | 論文
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