国際金融資本市場における金利スプレッドの規定要因
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概要
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分析結果の主なものは以下のように纏められる。(1)債券と銀行融資のspread の規定要因は大きく異なる。liquidity and solvency またmacroeconomic fundamentals に関連する変数については、規定要因としての共通性は見られない。(2)債券と銀行融資のspread の規定要因として、それぞれの他の発行条件、つまり金額や満期限については、統計的有意性が確認できなかった。(3)債券の内訳としてのsovereign bond、other public bond、private bond、さらに融資の間の相互関連を、spread、資金フローなどから捉えるとその関連性は比較的弱く、それぞれの市場は独立的である。(4)債務不履行実績との関係で言えば、債券のyield spread の中では殆ど考慮されておらず、逆に銀行融資のspread には強く反映されていることが確認された。(5)借手の地域性もspread を規定する重要な変数である。中南米諸国では、他の地域に比べ追加的なリスク・プレミアムを要請されている。(6)カントリーリスク評価機関の評価は、sovereign bond や融資のspread にある程度反映されていることが確認された。(7)債務国側から見ると、債券や融資のコスト引き下げのためには例えばインフレ抑制政策を重視すること、債務の長短期間バランスに配慮すること、デット・サービス・レシオをコントロールすることなどが重要である。
- 北海道大学の論文
- 2005-03-10
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