グローバリゼーションの経済的側面(2) : ガバナンスの国際比較
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿の目的はガバナンスの、主に「質」についての国際比較を行うものである。そうしたものの代表的なものとして、世界銀行によるものがある。世界銀行の「ガバナンス指標」は<Voice & Accountability>など6つの因子から構成されるが、概念的あるいは理論的観点から支持されたそれぞれの因子は、統計的にはさらに3つの因子に集約されることが主張される。約200ヶ国のサンプルに対し、それぞれの国のガバナンスの諸局面の特徴に基づいて、クラスター分析を実行した結果、本稿では5つのクラスターが導出された。この結果はこれまで叙述的に語られてきた各国の類型化なりとほぼ一致する内容となった。本稿では世界銀行の「ガバナンス指標」を構成する6因子を単一化しようと試みた。主成分分析などを通じて得た単一化された独自のガバナンス指標を基本にして、ガバナンスの歴史的な推移の吟味を行い、また客観的な政治不安定事象を表すデータと主観的だといわれる世界銀行のガバナンス指標に基本的に誤差がないことを確認し、さらにガバナンス指標と政治システムや経済発展段階との関連性、また宗教・言語などの多様性との関連性についても分析を行った。
- 北海道大学の論文
- 2004-12-09
著者
関連論文
- 献 辞
- 第200号を記念して
- 献辞 (小野浩教授記念号)
- 献辞 (唐渡興宣教授記念号)
- 国際金融資本市場における金利スプレッドの規定要因
- グローバリゼーションの経済的側面(2) : ガバナンスの国際比較
- グローバリゼーションの経済的側面 (1)
- わが国企業の海外直接投資における投資受入国の規程要因:カントリーリスクを中心として
- カントリーリスク評価のためのPolitical Risk Index の構築(3)
- カントリーリスク評価のためのPolitical Risk Indexの構築(1)
- カントリーリスク評価に関する研究方法論・序説
- 「カントリーリスク評価」評価論