水素、一酸化炭素及メタンが赤鐵鑛に及ぼす還元作用に就て(大正十三年二月一日燃料協會第十九囘例會講演)
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概要
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本講演は滿洲鞍山製鐵所に於て貧鑛の磁力選鑛をなす爲め赤鐵鑛を含有する鑛石を骸炭爐瓦斯等に依りて還元せしめ磁鐵鑛となす大規模試驗に並行して講演者が理學士三田正揚氏及び工學士淺輪三郎氏と共に行ひたる實驗の一部の報告にしでDavis氏の報告に依れば(Bulletin of the University of Minesotn, 1922)同氏は赤鐵鑛に水素、一酸化炭素及び沼氣を作用せしめ其赤鐵鑛を還元せしむる状態を驗し數字的に其能率たるものを擧げ水素及び一酸化炭素は約九八%沼氣は約一一・七%となし沼氣は燃料瓦斯中還元に最も不適當なる瓦斯なる事を主張せり。講演者等は同様の實驗を可成大規模試驗と同様の状態に於て水素、一酸化炭素並に沼氣に對し實驗室内に於て反復し作業上最も適當の温度と考へらるゝ約七〇〇度の温度に於ては水素及び一酸化炭素は赤鐵鑛即ちFe_2O_3を磁鐵鑛即ちFe_3O_4以上に還元し即ち過還元を行ふも沼氣は單にFe_3O_4迄還元せしめ夫れ以上の還元をなさざる事を知り従つて沼氣は赤鐵鑛を磁鐵鑛に還元するには最も理想的の氣體なる事を斷言せんとするものなり。
- 一般社団法人日本エネルギー学会の論文
- 1924-04-20
著者
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