サイズ排除クロマトグラフィーによるヘアシャンプー中のカチオン性高分子の定量と分子量測定のための試料溶液調製法
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概要
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以前の検討で著者らは, ヘアシャンプー用のカチオン性高分子として最も多く使用されているカチオン性セルロース(CC)について, サイズ排除クロマトグラフィー-多角度レーザー光散乱法-示差屈折率法(SEC-MALLS-RI)を用いた精度の良い定量と分子量の同時測定法を確立した.しかし, ヘアシャンプー中のCCの含有量と分子量を測定するための適切な試料溶液の調製法が確立されていない.そこで, CCを変質させない試料溶液の調製法を確立し, ヘアシャンプー中のCCの精度の良い定量と分子量の同時測定を可能にすることを目的とした.検討の結果, テトラヒドロフラン不溶分としてCCを得た後, CCが乾燥して変質する前に移動相と同じ溶液を添加することによりCCを完全に溶解することができた.SEC測定により標準添加回収率を求めたところ良好な結果が得られ, CC精製品とモデルヘアシャンプーから得たCCのクロマトグラムは同様であった.更にCC精製品とモデルヘアシャンプーから得たCCの分子量がほぼ一致した.このことから, 各グレードのCCとも試料溶液の調製中にCCが変質していないことが確認された.以上より, ヘアシャンプー中のCCの精度の良い定量と分子量の同時測定が可能となった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2006-02-05
著者
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埴原 鉱行
ライオン株式会社研究技術本部分析センター
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藤原 正美
ライオン株式会社研究技術本部分析センター
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杉山 淳一
ライオン株式会社研究技術本部分析センター
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田中 孝祐
ライオン株式会社研究技術本部分析センター
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五十嵐 章紀
ライオン株式会社研究技術本部分析センター
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藤原 正美
ライオン株式会社 研究開発部 ファブリックケア研究所
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