八重山群島に産するゴミムシダマシ科の甲虫数種について
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概要
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八重山群島のゴミムシダマシ科甲虫については近年, 中条道崇(1966)がまとめて報告しており, これに他の数種の記録を加えると40種余が知られているが, なお検討を要するものがある。本報には去る5月に石垣・西表両島で採集した際えられたゴミムシダマシ類について調査した結果の一部を述べた。Diphyrrhynchus 属の種は好海性で, 南太平洋域からオーストラリアにかけて主として分布し, 一部がインド洋方面に産するが, 近年 KASZAB が奄美大島から, 中条道崇が西表島から各1種を記載した。今回の調査でえられた第3の種は西表島大原で両種に混じて採集され, ペリリュー島から記載された D. carolinensis BLAIR に近縁と思われ, D. oharensis と名付けた。Platydema 属の種は八重山群島から5種記録されていたが, さらに1種を追加し台湾産の P. sauteri GEBIEN の亜種と認め (subsp. omoto), P. umbratum MARSEUL として報告されていたものを別種 P. sakishimensis として記載した。また東アジアに広く分布する P. subfascia WALKER がこの群島において特殊な色調を示すので亜種 (subsp. yaeyama) として区別した。
- 国立科学博物館の論文
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