東アジア産Abia属コンボウハバチ3種の分布記録
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概要
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Abia属のコンボウハバチは東アジアに6種を産するが, 日本産の1種を除き, いずれもごく少数の採集記録があるにすぎず, それぞれの種の分布域については不明の点がおおい。本稿では次の3種について採集記録を挙げ, 若干の分類学的知見を述べた。1) ヒメアカガネコンボウハバチ(新称)(Abia formosa TAKEUCHI, 1927)これまで台湾のみから知られていたが, 朝鮮半島および日本(対馬)から新しく記録した。KIM (1963,1970)が韓国からAbia iridescens MARLATTとして記録した標本は, 本種である可能性が高い。2) キバネルリコンボウハバチ(新称)(Abia imperialis KIRBY, 1882)これまで中国および台湾から知られていたが, 日本(奄美大島)から新たに記録した。TOGASHI (1982)がタイ国から記録した雌個体は, 別の未記載種である可能性がある。3) Abia semenoviana GUSSAKOVSKIJこれまで, 東シベリアのバイカル地方で採集された1雌個体のみで知られていたが, 朝鮮半島から新しく記録した。
- 国立科学博物館の論文
- 1990-12-01
著者
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