伊豆半島沿岸(相模湾)より得られた数種の尋常海綿
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概要
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伊豆半島の東岸沿岸でドレッジ採集を行った結果 Table 1に示すように13ケ所の採集地点より尋常海綿が採集された。採集された尋常海綿の種数は11種であったが本報告では各地点より非常に多量に採れた3新種 Thenea shimodensis n. sp., Craniella ellipsoida n. sp., Orina izuensis n. sp. と Spirastrella panis THIELE, 1898 の4種を記載した。Thenea shimodensis n. sp. はフィリピン産の近縁種 Thenea wyvilli SOLLAS, 1886とよく似ているが spiraster と somal anatriaene を持たぬので容易に区別できる。Craniella ellipsoida n. sp. は有明海産のCraniella globosa var. anamonaene TANITA, 1968と骨片の構成はよく似ている。しかし TANITA (1968) の記載には外形の記録がないのでHOSHINO (1974) が模式産地より再記載したものと比較すると体表に突出する骨片の密度・長さと色彩が明らかに異なる。Orina izuensis n sp. は Orina 属としては本邦二番目の記録となる。Spirastrella panis THIELE, 1898 は VOSMAER (1911) によってSpirastrella purpurea (LAMARCK) にまとめられたが別種とすべきである。
- 国立科学博物館の論文
- 1982-12-01
著者
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