グループによる相互評価を導入した実習評価に関する研究 : グループ面接評価場面で語られた自己評価・他者評価内容の分析
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概要
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看護基礎教育において、臨床実習も授業の一環として位置づけられ、評価が行われている。その評価に学習者が積極的に参加し、相互交流の中で評価を行うことにより、学習者の主体的な自己評価の一助となると考え、精神看護実習に実習グループメンバーの学生同士の相互評価を取り入れて実践している。今回は、グループ面接評価の場面で伝えられるメッセージの内容を分析し、グループ面接評価では、どのようなことをどのように伝え合う場になっているかという視点からグループ面接評価の場の特徴を明らかにした。その結果、自己評価の内容は(1)学んだことについて(2)発見・気づき(3)説明(4)感情の表現(5)課題(6)その他、他者評価の内容は(1)知覚の伝達(2)肯定・承認の伝達(3)確認(4)感情の表現(5)提案・提示(6)その他にカテゴリー化できた。また、伝達方法は(1)場面の具体例を挙げる(2)他者評価者が自分と自己評価者とを比較する(3)現状を肯定したうえでより良くするという視点で課題を伝達するなどの方法が取られていることが明らかになった。そして、グループ面接評価を可能にしているのは、本学の精神看護実習の特徴である、グループでの活動や、カンファレンス等を通してグループの中で表現する機会が多いことが一因である。また、グループ面接評価は自己評価者にとって、課題の明確化や学習意欲につながり、他者評価者にとっては、評価視点の広がりの機会となる等の意義があることが示唆された。
- 2004-07-30
著者
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