擬似患者体験を取り入れた学習に関する教師の教育観の検討 : 排泄に関連する単元において擬似患者体験を取り入れたことのある教師の教育観の比較検討から
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
看護基礎教育において、看護技術習得の際に擬似患者体験をするということを学習方法として取り入れることがある。本調査においては、排泄に関連する単元を中心に、擬似患者体験を取り入れた学習に関する教師の教育観について教師への面接調査を行い、指導観、学生観、教材観の3つに分類し、比較検討した。その結果、(1)教師はそれぞれ教育観をもち、同じ擬似患者体験という方法を選択しても、ねらいが異なる。(2)擬似患者体験という学習方法は学習の動機づけ、学生が『感じ』たり『考え』たりする直接的経験の機会のひとつとして位置づけられ、教師はその直接的経験を教材化している。(3)教材の選択には、教師自らが受けた教育、教師となり演習方法や授業回数を重ねる中で感じた手ごたえ、教材観や学生観も含めた教師自身の考えの他、周囲の要請や制約に影響を受けている。(4)教師は擬似患者体験の有無による明確な学習の差を感じておらず、その理由として、学生の直接的経験を教材化できれば、擬似患者体験をするということに限定しなくても擬似患者体験と同様の学習が成立し、学習成立は、関わる教師と学生の主体性・能動性にかかってくるということが明らかになった。
- 2003-06-30
著者
関連論文
- 擬似患者体験を取り入れた学習に関する教師の教育観の検討 : 排泄に関連する単元において擬似患者体験を取り入れたことのある教師の教育観の比較検討から
- グループによる相互評価を導入した実習評価に関する研究(第2報) : 面接場面における教師の関わりに焦点を当てた発話内容の分析
- グループによる相互評価を導入した実習評価に関する研究 : グループ面接評価場面で語られた自己評価・他者評価内容の分析