野鳥、鶏肉、イヌおよび砂場からのthermophilic Campylobacterの分離
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概要
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熊本市およびその周辺の地域を対象として、野鳥の糞便189、イヌの糞便98、砂場の砂54および市販の鶏肉137検体から、thermophilic Campylobacterの分離を試み、以下の成績を得た。野鳥では、ハト93、スズメ69、カラス11、水鳥3、ツバメ1、ニワトリ6および不明6の糞便検体を検査したところ、ハトから6株(6.5%)およびカラスから1株(9.1%)のthermophilic Campylobacterが分離された。検体は20ケ所から採取したが、陽性を示したのは5ケ所(25.0%)で、その陽性率には7.7〜50.0%と差を認めた。鶏肉では、ささ身62、ムネ肉26、小間切れ22、モモ肉13、ミンチ9およびその他5検体を検査したところ、ささ身から4株(6.5%)、ムネ肉から3株(11.4%)、小間切れから4株(18.0%)、モモ肉から1株(7.7%)、ミンチから1株(11.1%)およびその他から1株(20.0%)、計14株のthermophilic Campylobacterが検出できた。店舗別では、30店舗から検体を収集し10店舗から本菌が検出された。イヌの糞便および砂場の砂からはthermophilic Campylobacterは全く検出されなかった。今回、ヒトの多い場所に生息している野鳥から本菌が検出されたことは、細菌性食中毒予防の立場から公衆衛生上問題である。また鶏肉に関しては、解体行程と流通過程における衛生対策の強化と完全な加熱による調理が望まれる。
- 熊本保健科学大学の論文
- 2000-12-15
著者
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