新卒看護師の精神健康度と離職願望

概要

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病院に勤務する新卒看護師116名を対象に1年間の精神健康度(GHQ28)と離職願望を調査した。結果,3ヶ月時の精神健康度が最も悪く,「不安と不眠」の中等度以上の症状が約8割に認められ,「うつ傾向」も中等度以上が約3割に認められた。6ヶ月後には全て改善傾向を示し,1年後にはさらに改善していたが,「身体的症状」は6ケ月後より1年後の方が悪化していた。また,離職願望が強い者は精神健康度(GHQ28)も悪く,離職願望は3ヶ月時には約7割認められた。しかし,1年後には約5割に軽減していた。離職願望の理由は「仕事の失敗」が最も多く,次いで「人間関係」が多い。しかし,就職後1年では「仕事の失敗」による理由は減少し,「過酷な勤務」の理由に変わっていた。GHQでの「身体的症状」が6ヶ月時より,1年時の方が増加していることとも合致している。以上のことから新卒看護師のストレスマネジメントを考えると,就職後の「仕事の失敗」や「人間関係」への対処を考え,新卒看護師が危機的状況に陥らないようにしていく支援が必要である。看護基礎教育においてはストレスマネジメント教育を行う必要があると考える。