精神障害者の処遇の比較 : 日本とデンマークの看護援助の視点から
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概要
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かつて日本における精神障害者の概念は、何をするかわからない予後不良の病気であった。そのため疾患重視の医療が主流で、精神科看護の内容は、患者の監禁と拘束、そして監視であった。一方、中世ヨーロッパの潮流の中でデンマークの精神科看護は、迫害から人道的な視点で鎖をはずし、人間性重視の医療が提供され、訓練を受けた中流階級の女性が精神科看護を担っていた。今日、わが国において、精神分裂病から統合失調症に名称が変更になり、入院中心の看護から社会復帰への精神看護が期待されている。そこで、福祉国家であるデンマークの精神看護について、今回の看護研修で入手した、Neils Buusの論文である「When nurses took their place in danish psychiatry」を基にしてデンマークにおける精神看護を要約した。また現在の日本の精神障害者に対する処遇をまとめ、デンマークと日本の精神看護を比較した結果、開放的な処遇のもとで心のこもったきめ細やかな対応と、患者の可能性を信じることが援助の基本であるという精神保健看護の展望が見えた。
- 2003-06-30
著者
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