EC自動車産業における産業内貿易と産業内分業
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概要
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産業内貿易の発生要因は,理論的には4つに分類できる。すなわち,メーカーの特質を生かして他社の製品との差別化を図る製品差別化型,メーカーの市場毎の寡占的競争による企業戦略型,同一産業内における個々の製品項目毎に国際分業が進展する製品特化型,そして細分化された生産工程が国境を越えて展開する生産工程分業型である。ここで産業内分業と呼べるのは製品特化型と生産工程分業型だけであり,産業内貿易と産業内分業は異なる概念である。現在,産業内貿易は広範な地域で活発に展開されているが,EC自動車産業の産業内貿易も1980年代を通じて増加しており,この傾向は為替レートの影響を取り除き,数量だけで測っても見出せる。そして,この増加はEC自動車産業における産業内分業によるものではなく,製品差別化型あるいは企業戦略型の産業内貿易の発生によることが,各種データから示される。
- 1995-02-25