気管平滑筋細胞の電気的膜および興奮-収縮連関機構の特性(気道平滑筋をめぐって)
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概要
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気道平滑筋細胞の電気的膜特性および収縮特性を研究する目的で, イヌおよびネコの気管平滑筋を用い電気生理学的, 生化学的検討を加えた。気管平滑筋細胞は電気的膜自発活動を示さず, 筋直接刺激または神経刺激により活動電位を発生しなかった。しかし神経刺激により発生した興奮性接合部電位(e.j.p.)(迷走神経から放出されたAChによる)により収縮が発生した。AChによる収縮は過剰〔K〕_0溶液やカフェインによるそれより大きく, 〔Ca〕_0除去によりほとんど影響を受けず, 細胞内Caの遊離により収縮を引き起こす。一方, サポニンでスキニングした気管平滑筋細胞に外因性イノシトール三リン酸(Ins-P_3)を投与すると細胞内貯蔵Caの約40%が遊離された。またACh投与により気管平滑筋細胞ではIns-P_3が産生された。以上の結果は, 気管平滑筋の収縮は電位依存性Ca-チャンネルにより細胞外Caが細胞内に流入して発生するのではなく, 種々のケミカルメディエーターが細胞内に貯蔵されたCa^<++>を遊離し収縮を引き起こすことを示している。
- 日本呼吸器内視鏡学会の論文
- 1985-12-25
著者
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