全国集計, 気管・気管支形成術

概要

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全国959病院のアンケートで, 形成術自験施設は142であった。解析の対象となりえた例は1, 562, 気管形成術は578, 気管支形成術は944であった。経年的に, 昭和49年∿50年ごろから急増, 年間200例以上になっている。適用疾患の中で肺癌が最多で, 58.8%を占めていた。使用糸は, デキソン, テフデック, ナイロン, プロレン, バイクリルの順に多く, これらで約90%を占める。最も繁用されている縫合法は結節全層縫合の72.4%であった。術型は57を数えるが, 気管支吻合が最多で(62.1%), 気管吻合, 気管・気管支吻合がこれに次ぐ。合併症発生率は16.9%で, うち22.3%が死亡していた。狭窄, 縫合不全, 反回神経麻痺の順に多く, 三者で90.1%を占めた。対象疾患, 縫合糸, 縫合法, 術型別に合併症頻度を分析, 合併症発生はこれらが一定の重みをもって相関することを指摘した。また, 最近10年, 合併症の発生はなお横這い状態である。適正な吻合についての検討が改めて必要であることを指摘した。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1986-10-25