先駆的事例を通じた我が国におけるオープンガーデンの意義
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概要
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「私的な空間である庭園の公共性」つまり,個人庭園を多くの市民が楽しみ,喜びを分かちあうという意味での公共性が議論される現代,「庭園」の持つ意味が歴史的な転換期を迎えている。ガーデニング・ブームにより,イングランドとウェールズにおいて活動しているナショナル・ガーデン・スキームによるオープンガーデンに関心が高まり,我が国でも11のオープンガーデン団体が形成されている。本報は,ガーデニング・ブーム以前よりオープンガーデンを開催し,大都市圏に位置した3つの庭園を先駆的事例として選び,それらを通じて我が国におけるオープンガーデンの意義と今後発展するであろうオープンガーデン運動の方向性を考察することを目的とした。研究対象は神奈川県横浜市の川口邸庭園(公開31年間),東京都国分寺市の渡辺邸庭園(公開17年間),大阪府大阪市の河合邸庭園(公開8年間)である。先駆的事例の考察の結果,オープンガーデンという市民の自主的な活動により,我が国においても私的な空間である個人庭園の公共的展開が可能であることを示唆していた。オープンガーデンは今後の発展によって,新たなアメニティ創出の計画的メニューのひとつとも位置づけられよう。
- 東京農業大学の論文
- 2001-12-20
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