マスキング効果を利用したJPEG圧縮に耐性ある電子透かし
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概要
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近年,様々なディジタルコンテンツの公開に伴い,著作権保護を目的とした電子透かしの研究が進められ,不正利用者による改ざん等の攻撃に対しても耐性をもつ電子透かしが提案されている.従来の電子透かしでは,低周波成分に対する埋込みを行う場合特にエッジ成分を検出して埋込みを行うことにより,画像の視覚的な劣化を軽減していた.しかしながら,従来の方式では,通常用いられる程度(原画像に対して10〜20%)の圧縮率のJPEG圧縮において,埋め込んだ情報が欠落してしまうことがある.そこで,本論文ではこの特性とは異なる視覚特性であるマスキング効果を利用することで,従来の電子透かしでは困難であった最低周波領域に対しての埋込みを行う手法を提案する.これにより,画像の視覚的な劣化を抑え,更に高圧縮率の圧縮にも耐性のある電子透かしを実現可能とする.本方式を用いてサンプル画像に対して埋込みを行った場合のJPEG形式で圧縮後,埋め込んだ情報がどの程度損失しているか検証を行い,高圧縮時にも埋め込んだ情報の損失を低く抑えることができることを明らかにした.更に,本手法が他の画像処理においても有効であることを検証した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2002-11-01
著者
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