心理学研究法としての典型論(I) : 青年心理学方法論にかかわって
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は,青年心理学の方法論,とりわけ,被験者(被調査者)抽出の方法論の吟味をおこなう。それは,これまでの青年心理学の諸研究にあって,その吟味が不十分であったという反省に立っている。青年を対象にした心理学的研究は,これまでも数多く蓄積されてきているにも拘らず,その理論的蓄積は研究の量に比していまだ体系化されるところまでに至っていない。その原因の一つに被験者(被調査者)抽出の方法にあると著者は考えている。換言すれば,追試研究をなしうる方法をそなえなければ,理論的蓄積は不十分なままに推移せざるをえないだろう。そこに青年がおるからではなく,青年を発見する観点が,いまや青年心理学に求められる課題であると考える。本稿は,その第一歩として典型論(被験者・被調査抽出法)の理論的基礎をあきらかにすべく企図されたものである。今后,この種の討究が深められることを期待し,その問題提起をおこなう。This study will make a scrutiny into the methodology of adolescence psychology, especially, that of sampling of subjects, coming from reflection upon the shortage of methodological study on adolescence psychology. We have accumulated a great number of psychological studies on youth, but not yet systematized the theoretic accumulations enough to compare with the quantity of psychological studies. The present writer finds that one of the causes depends upon the method of smapling of subjects. To put it another way: the theoretic accumulation will remain unsufficient without the method of samplementary study. The problem by which adolescence psychology is now confronted does not lie in the view point that "There young people are," but in the point that we should find out them. The present writer has planned this study to make clear the theory of typical model as the initial step and raise a question, hoping that this kind of study will make progress.
- 大阪教育大学の論文
著者
関連論文
- 学童期の教授・学習過程に関する研究(第I報) : 算数科における図形学習の方略をめぐって
- 児童の自己概念と学校に対する態度について
- 幼児の自由遊び場面における非社会的行動についての一考察
- オールポート・ヴァーノン価値テストと生活意識の関連の分析 : -進路指導との関連から-
- 青年の価値観と親の養育態度および個人の行動特性との関係
- 勤労青年の価値観と生活意識に関する学歴別比較
- 青年期における家族機能認知について : 自我同一性地位との関わりから
- 現代青年にとって価値観とは
- 親子関係認知と承認欲求,達成動機との関わりについて
- 451 Loevingerの自我発達理論とその測定手法における妥当性の検討(自己・自我,人格6,人格)
- J.Loevinger の自我発達段階の検討 : 女子非行少年のパーソナリティとの関係
- 異性友人関係における性役割意識と行動との関連 : self-with-other の観点から
- 帰属における原因次元の検討
- 教師の教職能力認知の研究 : 教師像の理想と現実のズレと指導観,子ども観の関係
- 青年期研究における典型抽出法について
- 青年心理学徒は青年をどのように認識しているか (青年心理学徒は青年をどのように認識しているか : 青年心理学の課題と方法)
- 幼児の愛他行動に及ぼす役割付与の効果 : 思いやりを育てる一方策として
- 心理学研究法としての典型論(I) : 青年心理学方法論にかかわって
- 価値観の構造に関する研究(第2報) : 結婚観・職業観・政治意識の関係
- 価値観の構造に関する研究(序報) : 結婚観・職業観・政治意識の関係系