引用法とジャーナル・インパクト・ファクターによる研究実績評価の留意点
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年, 欧州連合国の幾つかの大学や研究機関では研究資金配分に「引用法」や「インパクト・ファクター」といった科学活動を測る科学技術指標が機械的に導入され, 政府の資金配分にまで利用される傾向が強まっている。しかし, 一方では, このような科学技術活動を表す指標を使った評価による弊害も多く, ScienceやNatureなどの学術雑誌には定期的に被害者の苦情が掲載され, 問題の深さを表している。日本でも, 2000年4月に大学評価・学位授与機構が発足するなど, 評価に関する問題が話題を集めているが, 研究機関や研究者の評価が具体化すれば, 1国の科学技術活動状況や研究機関の業績などを表すための指標が, 個人の実績評価や研究者雇用基準にも使われることが予想される。そうなると, 引用法を正しく使うことは益々必要となり, 評価をする側はもちろんのこと, 評価をされる側も引用法を用いた指標について正しい理解を深めることが重要となる。本論文では, 「引用法」やそれを基に構築された, ジャーナル・インパクト・ファクター(ある学術雑誌に最近載った論文がどれくらい引用されたかを示し学術雑誌の与えたインパクトを測る指標)の使用に際し, 特に注意を要する事項を上げ, なぜこれらの指標が個人の研究実績の評価に使われると危険なのかを考察し, 引用法の理解に役立てたい。
- 研究・技術計画学会の論文
- 2005-11-30
著者
-
赤井 誠
産業技術総合研究所
-
赤井 誠
(独)産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門
-
赤井 誠
独立行政法人産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門
-
大久保 嘉子
Researcher, Laboratoire Strategie & Technologie
-
赤井 誠
独立行政法人産業技術総合研究所
-
大久保 嘉子
Researcher Laboratoire Strategie & Technologie
関連論文
- 高出力密度, 高効率な水電解・燃料電池可逆セルスタックの開発
- 自然エネルギーによる水素製造を取り込んだ水素貯蔵装置の制御特性
- 水素吸蔵合金タンクを中心にした統合型水素利用システムに関する研究 : その2. 水素吸蔵合金タンクの数値解析モデルを用いた統合型水素利用システムの運転シミュレーション
- 水素吸蔵合金タンクを中心にした統合型水素利用システムに関する研究 : その1. 水素吸蔵合金タンク設計のための数値解析モデルの開発
- 高速X線CTスキャナによる移動体の界面形状測定
- 統合型水素利用システムにおける水素吸蔵合金タンクの特性に関する研究
- 2339 地下帯水層における CO_2 溶解塩水の密度変化計測
- 2 CO_2海洋隔離の社会受容性に関する研究 : アンケート調査とリスクコミュニケーションの試行(討論)
- 水電解装置による再生可能エネルギーの平準化と系統連系の推進
- 4-7.太陽電池-水電解システムにおける制御方法の検討((2)太陽熱と太陽電池1,Session 4 新エネルギー)
- パネルディスカッション : 「地球温暖化防止エネルギー対策と技術戦略」-21世紀日本の脱石油エネルギー時代への対応-
- 二酸化炭素回収貯留技術の社会的認知状況と潜在的受容性に関する調査
- 二酸化炭素回収隔離技術を含む温暖化対策についての意識調査およびその日米比較
- 二酸化炭素回収隔離技術の社会的受容に影響を与える因子に関する調査
- エネルギー分野における技術戦略マップの概要(我が国のエネルギー分野の技術戦略)
- 我が国のエネルギー分野における技術戦略
- 我が国のエネルギー分野における技術戦略マップを策定 : エネルギー技術戦略マップ2007
- 二酸化炭素回収貯留(CCS)推進への取り組みと課題
- CCS導入に向けた環境整備にかかわる内外の動向
- 地球温暖化とエネルギー技術戦略(地球環境との調和を目指して(低炭素社会の実現))
- 一次エネルギー供給
- 引用法とジャーナル・インパクト・ファクターによる研究実績評価の留意点
- CO_2回収・隔離技術 : R&Dから政策課題化へ
- 二酸化炭素隔離技術のインベントリへのアカウンティングルール案
- 溶解希釈と貯留型の2つ 環境配慮も必要なCO2海中隔離 (特集 CO2の放散を抑える技術)
- 京都議定書と CO_2 問題の現状
- 超長期エネルギー技術ビジョンおよびロードマップ(超長期エネルギー技術ビジョンおよびロードマップ)
- 持続可能な社会に向けた二酸化炭素回収隔離技術の意義
- CO_2回収隔離 : 化石燃料社会から水素社会へのキーテクノロジー?(今後のエネルギー供給の課題)
- 脱化石燃料を目指した今後の燃料の見通しと地球環境問題への貢献
- 自然エネルギー電力への支払い意志額のCVM調査
- 水素ステーションのビジネスモデル
- CO_2隔離技術と架台
- パネルディスカッション 地球温暖化と技術の役割を考える (日本工学アカデミー/エネルギー総合工学研究所合同シンポジウム)
- F06-(2) 二酸化炭素処理技術の展望
- 講演 超長期の視点からのエネルギー技術開発戦略--検討の枠組みと途中経過について (特集 第21回エネルギー総合工学シンポジウム 日本のエネルギーの未来を拓く--超長期のエネルギー技術戦略と原子力の将来像)
- 欧州連合の国際競争力強化政策 : 欧州研究圏の構築(国際社会からみた日本の科学技術政策 : 我が国はいかに対応すべきか)
- E-49 熱流動数値解析モデルを用いた水素吸蔵合金タンクの設計技術