豚のアジア・南アフリカ口蹄疫ウイルスの病理発生におけるアポトーシスの役割(病理学)

概要

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我々は, 口蹄疫ウイルス(FMDV)によるアポトーシス細胞死の経過を評価するために今回の研究を行なった.アポトーシスは, ウイルスが感染した細胞においても起こり, アポトーシスを抑制あるいは促進するウイルスの能力は感染における病変に大きく影響する.アポトーシスがFMDVの感染において一つの役割を演じているかどうかを明らかにするため, 私たちは2つの異なったFMDV株(O1キャンポスとOタイワン)を接種された豚から採取された病変組織におけるアポトーシスを評価した.どちらかのウイルスに感染した動物の病変組織で宿主細胞のDNA断片化を評価してみると, アポトーシスに特徴的な梯子状パターンがみられた.豚の舌の培養角質細胞の感染では, 感染後最初の数時間ではアポトーシスは認められず, アポトーシスとウイルス抗原において細胞同士の関連, 例えば免疫担当細胞からのサイトカイン分泌, がアポトーシスの開始に重要であることが示された.この発見と関連して, 我々は病変組織内で前炎症性のサイトカインTNF-αを発見することができた.我々の研究では, 二つの異なった豚から分離されたFMDV株では, はっきりとした病原性の違いを証明することはできなかった.
2005-11-25