フィンランドの地方自治制度の現状と課題
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概要
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日本では2000年4月に地方分権改革が行われ,この改革によって中央集権を象徴する機関委任事務制度が廃止され,国と地方自治体の関係は,対等・協力の関係に改められた。しかし,改革はようやく開始された段階に過ぎず,なお多くの課題が残されている。この地方分権の課題と重なるように,新たな課題として浮上してきたのが町村合併の問題である。政府は,合併によって基礎自治体を強化し,基礎自治体への移転資金の削減を意図しているが,自治体側からは,合併に特化しない基礎自治体の協力のあり方が模索されている。一方,フィンランドは地方分権の徹底の上にたって,自治体が公共サービスのほとんどの責任を担っている。そして,それを展開するに当たって,財政力格差の問題を,町村合併のみに頼らず,多様な自治体間協力を発達させることによって解決に努めている国である。本研究では,日本では殆ど知られていないフィンランドの地方自治体のしくみと機能を明らかにするものであり,地方分権改革後の国の指導監督の可能性と,自治体間協力の仕組みを中心に検討することを課題とした。その結果,フィンランドの自治体は自治体組合制度を中心に自治体間協力を展開し,合併によらずとも効率的にサービス供給の責任を果していることを考察した。
- 北翔大学の論文
- 2004-10-31
著者
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