Cat cry syndrome を伴う開咬の一治験例

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Cat cry syndromeは第5染色体の短腕の部分的欠失をみるもので, 本疾患の臨床的特徴としては乳児期に体重増加不良, 子猫様泣き声, 精神発達遅滞, 後頭扁平を伴う小頭, 丸顔, 両眼隔離, 斜視, 小下顎症などを呈するとされている.今回, Cat cry syndromeと診断された精神発達遅滞を伴うの女児の歯科矯正治療を行い, 良好な経過ならびに結果を得た.患児は出生時には低体重, 低身長, 小頭, 泣き声の異常, 円形顔貌などを呈しており, 言葉の発達がやや遅れていた.また, 初診時の身長, 体重も標準より著しく小さく, 言葉の理解力も遅れていた.前歯部開咬と叢生を呈しており, 顎顔面の特徴としては下顔面高が大きく, 上顎骨の大きい傾向と下顎骨体長の短小が認められた.また, 上顎骨の前方位傾向と下顎骨の後退を示し, 下顎角, 下顎下縁平面の開大が著明な骨格性のII級開咬症例であった.初診時の社会成熟度年齢(SA)は3.6歳と低く, 社会成熟度指数(SQ)も41.9と著しく劣っている状態であったが, 治療の進行とともに協力的になり, 上下第一小臼歯の抜去によるマルチブラケット装置での治療も可能となった.その結果, 上下臼歯の直立と前歯部の舌側傾斜を伴う挺出により開咬の改善がなされ, 良好な咬合関係が得られた.
日本矯正歯科学会の論文

Cat cry syndrome を伴う開咬の一治験例

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