明海大学病院矯正歯科における最近の矯正患者の統計的観察 : その動態について
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概要
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明海大学病院(旧城西歯科大学病院)矯正歯科において, 1989年8月から1995年8月にかけて来院した患者について統計学的分類を行い, 本院における以前の調査報告と比較し以下の結果を得た.1. 年度別新来患者数では, 大きな変動はみられず, 年間平均307.8人が来院していた.2. 初診月分類では, 7月, 8月の夏休みの時期に26.0%が, 3月, 4月の春休み前後の時期に20.9%が来院していた.3. 性別分類では, 男性 : 女性が1 : 1.8と女性患者が多かった.4. 年齢別分類では, 7∿12歳の患者で61.0%を占めていた.また, 成人患者が2割を超えて増加(26.7%)し, 特に女性の成人患者が増え, 女性患者全体の32.5%で, 成人男女比は1 : 2.5であった.5. 居住地域別分類では, 近隣の市町村からの来院が多く, そのほとんどは当院を中心として半径20km以内で, 全体の77.0%を占めていた.6. 主訴別分類では, 乱杭歯が最も多く, 次いで受け口, 出っ歯, 噛み合わせが悪い, その他, 歯が生えない, 検診で言われた, 顎が痛いの順であった.その他の項目も多く, 患者の訴えの多様化が示された.7. 現在の歯並びに気付いた時期としては, 「乳歯が抜けて生え変わるとき」が圧倒的に多く, 「全部永久歯にはえかわってから」, 「だんだん悪くなりました」, 「乳歯の時」, 「他人から言われて気が付きました」, 「急に悪くなりました」の順であった.8. Hellman's developmental stage分類ではIVA, IIIBが多く次いでIIIC, IIIA, IVC, VA, IIC, IIA, Iの順であった.9. 初診時に保険が適用となった患者数は, 全体の6.5%であった.10. 1998年4月現在の治療経過では, 保定終了, 保定観察中, 動的治療中がほぼ同率で, 次に中断, 経過観察中, 転医の順であった.
著者
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高野 安紀子
明海大学 歯学部 形態機能成育学講座 歯科矯正学分野
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清村 多
明海大学歯歯科矯正学
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清村 寛
明海大学歯学部矯正学
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武山 治雄
明海大学歯学部歯科矯正学講座
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高野 安紀子
明海大学歯学部歯科矯正学講座
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鬼久保 平
明海大学歯学部歯科矯正学講座
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会田 泰明
明海大学歯学部歯科矯正学講座
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山口 賢
明海大学歯学部歯科矯正学講座
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林 弘明
明海大学歯学部歯科矯正学講座
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高野 安紀子
明海大学 歯学部口腔外科学第二講座
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清村 多
明海大学歯学部歯科矯正学講座
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武山 治雄
北海道大学歯学部歯科矯正学講座北海道大学歯学部歯科矯正学講座
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清村 寛
明海大学歯学部歯科矯正学講座
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