閉経後女性の歯周メインテナンスにおけるカルシウムと大豆イソフラボン摂取の有効性
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概要
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骨量減少,骨粗粗症は,歯周病の発症や進行に対し影響を及ぼす全身的要因の1つとして認識されてきており,カルシウム(Ca)低摂取とエストロゲンの減少はその共通の危険因子であると考えられている.本研究ではCaとエストロゲン様物質である大豆イソフラボンの摂取が,閉経後女性でメインテナンス管理下の歯周病罹患者において,骨格骨密度と歯槽骨の骨密度,高さに及ぼす影響について検討することを目的とし,無作為化比較対照試験を実施した.48名(試験開始時平均年齢:62.9±7.9歳)の被験者は,1日当たりCa 500mg と大豆イソフラボン10mg を摂取するテスト群,その2倍量を摂取する2倍テスト群およびプラセボ群に割付けられ,12ヵ月間タブレット状の試験製剤を摂取した.その結果,歯槽骨骨密度の獲得量では,プラセボ群と比較して,テスト群で有意差が(p<0.05),また2倍テスト群では差がある傾向が認められた.さらに歯槽骨高さの獲得量においても,テスト群でプラセボ群と比較して差がある傾向が認められた.また,腰椎および僥骨の骨密度において,プラセボ群では有意な減少が認められたが(p<0.01,p<0.05),テスト群および2倍テスト群に変化は認められなかった.これらの結果,Caと大豆イソフラボンの摂取は,閉経後女性の骨格と歯槽骨の骨密度の維持,改善に働き,歯周病のメインテナンスに寄与する可能性が示唆された.
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
- 2004-07-30
著者
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武村 あかね
サンスター株式会社
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武村 あかね
サンスター株式会社 商品開発研究部
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武村 あかね
サンスター(株)
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武村 あかね
サンスター株式会社商品開発研究部
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Hausmann Ernest
ニューヨーク州立大学バッファロー校歯学部口腔生物学講座
-
J Genco
ニューヨーク州立大学バッファロー校歯学部口腔生物学講座
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G Grossi
ニューヨーク州立大学バッファロー校歯学部口腔生物学講座
-
W HO
ニューヨーク州立大学バッファロー校歯学部口腔生物学講座
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