上顎前歯部接着ブリッジの予後に影響を及ぼす因子と支台歯形成

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齲蝕のない健全な歯牙を支台歯にするとき,歯科的な侵襲を最小限に抑えた形成を行い,機械的な維持力の不足分はレジンセメントの接着力で補う接着ブリッジが適用される。近年,我が国では臨床的に高い性能をもつ種々の接着システムが充実してきた。しかしながら,レジンセメントの接着力に維持のほとんどを負担させるのが難しい症例は今日でも少なくない。特に上顎前歯部の接着ブリッジには,臼歯部より厳しい因子がはじめから備わっている。著者らは,支台歯の動揺や患者の年齢を考慮した前歯部接着ブリッジの支台歯形成について述べてきた。本稿では,上顎前歯部接着ブリッジの予後に影響を及ぼす因子を整理し,適応症例を分類してそれぞれに対応した支台歯形成について述べる。上顎前歯部接着ブリッジの問題点既報でも述べたが,リテーナーの剥離や脱落を起こしやすい条件のひとつに支台歯の動揺がある。複数の支台歯の動揺度に差がある場合に最も予後が悪く,支台歯全部が動揺する場合がそれに次ぎ,いずれの支台歯にも動揺がない場合に最も予後がよいことが知られている。このほかに前歯部には以下のような問題点があり,条件は臼歯部より格段に不利である。
福岡歯科大学学会の論文
2004-06-25

上顎前歯部接着ブリッジの予後に影響を及ぼす因子と支台歯形成

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