嚥下時舌運動および舌と口蓋との接触様相に関する研究

概要

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舌小帯癒着症が認められる場合には, 舌の運動障害が引き起こされ不正咬合の誘因となるばかりでなく, 顎顔面頭蓋の成長・発育も影響を受ける可能性が指摘されている.今回われわれは, 舌小帯癒着を有す患者の舌運動の様相を詳細に検索する目的で, エレクトロパラトグラフィーと側方X線テレビとの同時記録法を用いて, 唾液嚥下時の舌の運動および舌と口蓋との接触様相について解析を試みた.被験者として, 舌小帯の癒着の程度により3群に分類した舌小帯癒着症を有す不正咬合患者13名と舌小帯の癒着を認めない不正咬合患者4名, 合計17名について検査を行い, 下記のような結果を得た.1. エレクトロパラトグラフィーとX線テレビとの同時記録法から, 舌小帯の癒着の強い患者では, 唾液嚥下時に舌背後方部が波状運動を示す傾向が認められた.また, この事は, エレクトロパラトグラムにおいて, 口蓋正中後方部における舌と口蓋との接触が変異性に富むことと対応していると考えられた.2. エレクトロパラトグラフィーとX線テレビとの同時記録法は, 側方からの舌運動と舌の口蓋への接触様相が同時に記録でき, 舌運動様相の解析において有用な検査法であると考えられた.
日本矯正歯科学会の論文

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