口腔内環境を想定した Ti-Ni 合金ワイヤーの荷重変化
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概要
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本研究は, 口腔内環境の変化に対するTi-Ni合金ワイヤーの発現する荷重の変化を, 詳細に検討することを目的に行った.口腔内環境としては, 口腔内の温度変化, 歯の変位を設定した.試料として, 3種類の超弾性型Ti-Ni合金ワイヤーと2種類の加工硬化型Ti-Ni合金ワイヤーを使用した.その結果, 以下の知見が得られた.1. 与ひずみ下における超弾性型Ti-Ni合金ワイヤーは, 37→60→37℃の温度変化を与えた際, 荷重は, そのワイヤーのもつ応力ヒステリシスの約50%高い値を示した.2. 温度変化により上昇したTi-Ni合金ワイヤーの荷重は, たわみを戻すことによって, 徐々にもとの荷重に近づいた.以上より, Ti-Ni合金ワイヤーの発現する荷重は, 応力ヒステリシスと関係して, 温度上昇によって, 高い値をとり, 歯の変位によって低い値に下がってくることがわかった.
- 日本矯正歯科学会の論文
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