なぜ「同じようなこと」が繰り返されるのか? : 動燃3事故の人間的根本原因(第10回信頼性シンポジウムREAJ)
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概要
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動力炉核燃料事業団〔以下, 動燃と略称〕の<もんじゅ>事故(1995-12-8)について, 昨年筆者は一文を投稿し, その原因究明に際しては, 工学的側面ばかりでなく人間的側面を究明すべきことを指摘した.またそれは産業技術自体が, 工学的側面と人間的側面とを, 共に不可欠の要素として持つものであるためであると主張した.それ故同事故において, 人間的根本原因の究明を怠るならば, 同様事故の再発防止は望みえないことも指摘しておいた.ところが, 今年(1997)3月から4月にかけて<もんじゅ>と同じ動燃の, それぞれ別の現場において事故が相次いだ.即ち東海事業所使用済み核燃料再処理工場の火災・爆発事故〔以下<東海>と略称〕と新型転換炉<ふげん>の付属施設での放射性重水漏れ事故である.<もんじゅ>を含めて3度の事故が, それぞれ別の所在地の装置・施設, 明らかに別の工学的原因であると考えられるにも拘わらず, 「同じような」失態が繰り返されたという事実は, このことあるを可能性として指摘した筆者自身驚くと同時に, この事実を絶好の反面教師として学ばなくてはならないと考える.本発表では, 動燃3事故の工学面および体外対応面, それぞれについて人間的根本原因を摘出して, それらがすべて同質のものであることを示すことによって, 3事故が「同じような事故」と, 人々に受け取られた理由を解明した.
- 日本信頼性学会の論文
- 1997-11-10
著者
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