膝関節拘縮に対する他動的ROM訓練時の徒手負荷量のトルク特性
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概要
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本研究は理学療法士(PT)の膝関節可動域(ROM)訓練における徒手的負荷量の定量化の可能性を探ることを目的とした。測定には我々の開発した膝関節用反力測定装置を用い, 他動的膝屈曲訓練時の膝関節への負荷トルク値, 膝関節屈曲ROMを測定し, 負荷トルク-時間曲線, 膝関節屈曲ROM-時間曲線, 負荷トルク-膝関節屈曲ROM曲線を検討した。他に, 痛みの程度, PTが感じた屈曲時の関節の硬さを測定した。対象は, 膝関節にROM制限を有する45例とした。負荷トルク値, 負荷トルク-時間曲線, 膝関節屈曲ROM-時間曲線, 負荷トルク-膝関節屈曲ROM曲線は症例および操作したPTによらず, 類似の経時的変化を示した。負荷トルク値に影響を及ぼす因子としては, 最大膝関節屈曲ROM値, PTが感じ取る関節の硬さ, ペインスケール, 経過日数が強く関与していた。最大負荷トルク値は測定開始時が16.5Nm, 全可動域を獲得した終了時は57.4Nmであった。これらの負荷トルク値の定量化により, 理学療法士の他動的ROM訓練の技術を有する新たなROM訓練装置開発の可能性が示唆された。
- 社団法人日本理学療法士協会の論文
- 2001-12-20
著者
-
稲村 厚志
横浜総合病院リハビリテーション科
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矢野 秀典
仙台医療技術専門学校
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箱木 北斗
桐蔭横浜大学工学部
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箱木 北斗
桐蔭学園横浜大学工学部
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矢野 秀典
横浜総合病院リハビリテーション科
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阿川 恵美
横浜総合病院リハビリテーション科
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吉水 信裕
横浜総合病院脳神経外科
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渡辺 留美子
横浜総合病院リハビリテーション科
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矢野 秀典
横浜総合病院
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