トルク-角度制御による膝関節拘縮に対する拘縮治療装置の開発と整形外科患者に対する臨床応用
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概要
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関節可動域(ROM)拡大を目的とした膝関節拘縮治療装置を関発した。下腿部自動運動の制御モードは,理学療法士(PT)による他動的膝関節屈曲ROM運動時のトルク-角度特性から3つの領域に分類し,移動領域・戻り領域には角度制御,加圧領域にはトルク制御を採用し,2つの制御モードを切り替えるハイブリッド制御方式とした。そして,6症例に対して,本装置を用いたPTの徒手による手動反復運動(徒手操作)と本装置による自動反復運動(機械制御)により,他動的膝関節屈曲ROM運動を隔日ごとに行った。反復回数は双方とも18回とし,1回目と反復18回目,徒手操作と機被制御の負荷トルク値,ROM,ペインスケールを測定開始時,開始後2週時,測定終了時の3時期について比較検討した。 ROMは,すべての時期において,徒手操作・機械制御ともに1回目に比べ反復18回目で有意な増大が認められ,徒手操作・機械制御間に差異は認められなかった。負荷トルク値は,徒手操作,機械制御ともに経時的に増大しており,徒手操作では膝関節屈曲運動を繰り返す度に負荷トルク値が増大していく傾向を認めた。ペインスケールでは,測定開始時,測定終了時とも徒手操作・機被制御はほぼ同様の傾向を示した。この結果から,今回関発した膝関節拘縮治療装置の臨床効果は、PTの徒手による他動的ROM運動と比較して,同等の痛みで同等のROM拡大効果が期待できるものと思われ,一般臨床場面の使用についても意義のあるものと推察された。
- 2004-04-20
著者
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矢野 秀典
仙台医療技術専門学校
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箱木 北斗
桐蔭横浜大学工学部
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箱木 北斗
桐蔭学園横浜大学工学部
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矢野 秀典
横浜総合病院リハビリテーション科
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阿川 恵美
横浜総合病院リハビリテーション科
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吉水 信裕
横浜総合病院脳神経外科
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箱木 北斗
柳蔭学園横浜大学工学部
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矢野 秀典
横浜総合病院
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