下肢片側性リンパ浮腫に対する複合的理学療法

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下肢片側性リンパ浮腫は, 子宮癌治療後症例など女性に圧倒的に多い疾患である。そのため身体的だけでなく心理的障害が社会的不利をも生み出している。しかし, 現実には疾患の成因や治療法を十分に説明されることなく, 諦めて治療を行わなくなっている症例が少なくない。筆者らの所属する施設では, 1998年4月の開院時から下肢片側性リンパ浮腫に対する圧迫とリンパ誘導マッサージを中心とした複合的理学療法を開始し, 幾分かの治療効果をあげている。今回, 下肢のリンパ誘導マッサージの実際について述べ, さらに下肢片側性リンパ浮腫患者について複合的理学療法の有効性を検討した。その結果, 退院時における患肢各部位の腫脹率は有意に減少し, 退院時の浮腫減退率は46.1±19.2%と良好な治療成績であった。また同時に, 患者や家族にリンパ浮腫の病態および治療法の原理と方法について説明し, 退院後も家族の協力を得ながら患者自身が浮腫の増悪を予防することを実行するように指導した。本治療法は外科的な侵襲がなく, リンパ系を破壊することも少なく簡便に行える。しかも必要に応じて入院治療を反復して行えるもので, リンパ浮腫の基本的な治療法として, 日本にも広く普及することが期待される。
社団法人日本理学療法士協会の論文
2000-07-31

下肢片側性リンパ浮腫に対する複合的理学療法

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