強さ・時間曲線測定装置を利用した痛覚閾値検査法の開発
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概要
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本研究の目的は, 強さ時間曲線測定装置を, 痛覚閾値検査装置として利用し, この検査法の妥当性と信頼性を検討することである。対象者は, 正常成人男女20名であった。種々の刺激時間で左側の手指先端部を刺激し痛覚閾値を測定した。その結果, 刺激時間が異なると痛覚閾値に差が生じることが確認できた。また, 測定時に感じた痛みの種類を, 痛み言語一覧表から選択させた。300msec, 100msec, 10msecにおいては, 選択した言語の傾向を特定することはできなかった。1msecと0.1msecでは, 一時的, 局在的な言語を選択するものが多かった。3名の検者により測定を3回実施した。3名の検者による測定値から求めた級内相関係数ICCは, いずれの刺激時間においても0.77以上の高い値であった。さらに, 手指, 前腕部, 上腕部の3カ所で閾値を測定した。300, 100, 10, 1msecのいずれの刺激時間においても刺激部位が異なると閾値が変化した。示指は, 前腕および上腕に比較して閾値が低値であった。前腕と上腕部とでは, 差がなかった。研究の結果, 強さ時間曲線測定装置を利用した閾値測定方法は, 測定手順が簡便であり, 非侵襲的であるため, 有用な痛覚閾値測定方法であることが確認できた。
- 社団法人日本理学療法士協会の論文
- 2000-07-31
著者
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