変形性股関節症のX線的機能評価の試み
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概要
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変形性股関節症患者のX線像異常と機能および能力障害の関係を知る目的で既存のX線計測法と理学的評価項目を調査した。変形性股関節症患者15例 (男2例, 女13例, 平均年齢36.5±14.8歳) の両側股関節30関節を対象とした。X線計測は変形性股関節症例に比較的よく利用される次の6つであった。1) center edge angle (CE角), 2) Sharp角, 3) acetabular head index (AHI), 4) head lateralization ratio (HLR), 5) head ascending ratio (HAR), 6) deviation of shenton line (DSL)。理学的評価項目はROM, MMT, ADLおよび自由速度方向に要した酸素摂取量 (V^^・O_2) である。X線計測値と理学的評価項目の関係をそれぞれ検討した結果, ROM値, ADL値のよいものほどHAR, DSL値は低値を示した。MMT値はいずれの測定値においても有意差は認められなかった。また, 自由速度歩行に要したV^^・O_2はAHI, HAR, DSLとに有意な相関関係が認められた。以上の事から, HAR, DSLの異常度を知ることによってROM, ADLが予測でき, またAHI, HAR, DSLの異常度を知ることにより, 歩行能力をある程度予測できることを示唆しているものと考えられた。
- 社団法人日本理学療法士協会の論文
- 1990-07-10
著者
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