脳損傷患者のコミュニケーション障害と理学療法上の考慮点 (脳血管障害 : ADL障害における理学療法)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
コミュニケーションとは, いくつかのものの間に一定した属性の共有を生じさせる作用を指し, ある種の意味や内容が信号を媒介として, 個体から個体に伝達されるプロセスであると池内は定義している。人間においては, 意思や意図を伝達したり受け取ったりする場合, 話す, 聞く, 読む, 書くなどの高度に発達した言語という象徴的信号システムによって, 成し得るものであると一般的には理解されているように思われる。しかし, 脳損傷患者の治療場面において, 指示を聞くことや自分の意思を伝えることができるにもかかわらず, 指示を守れなかったり, 忘れたり, 集中できないなどによって, 治療の遂行に支障をきたすばかりか, ADL自立に至らないケースを経験することもある。このようなケースでは, 言語的コミュニケーションが成立していても, 真の意思交流に問題があり, それが課題の遂行や ADLの目的行動にまで影響を及ぼしていると推測される。したがって, 真の意思交流や環境への適応性を妨げる要因として, 内面的活動すなわち非言語的精神機能のかかわりも無視するわけにはいかない問題である。
- 社団法人日本理学療法士協会の論文
- 1991-05-10
著者
関連論文
- 5. 脳卒中後遺片麻痺患者の平衡機能(第2報) : リハ訓練による重心動揺の経時変化(脳卒中)(第17回日本リハビリテーション医学会総会)
- 196. 臨床面での簡便な後足部内反評価法の試み : 後足部三点計測法
- 92. 中枢神経疾患における筋緊張亢進状態とT波との関連について
- 脳血管障害例における注意障害のリハビリテーション
- 脳損傷患者の持続的注意力の障害と主観状態,知的機能,及び日常情意行動の関連
- 高次脳機能障害 (脳卒中)
- 筋緊張亢進状態とT波との関連性について
- 脳損傷患者のコミュニケーション障害と理学療法上の考慮点 (脳血管障害 : ADL障害における理学療法)
- 106. 脳卒中片麻痺患者の非麻痺側下肢機能(第一報) : 歩行レベルとの関連について
- 補装具に対する理学療法技術 : 靴ベラ式短下肢装具の処方と適応
- 42. 臨床実習評価法の試み
- 41. 当院の臨床教育システムとその検討
- 48 地域在宅老人検診 : 実態・リハビリテーション訓練の可能性の検討
- I・3-14.在宅老人患者のリハ研究 : いわゆる「寝たきり老人」の実態とリハの可能性の考察(地域活動)(第15回日本リハビリテーション医学会総会)