盛土による地盤変形の有限要素法解析

概要

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この研究は, クリスチャン(Christian)の手法が, ビオ(Biot)の多次元圧密理論における間隙流体と土粒子の圧縮性を非縮性と仮定した場合と等価になることを検討したうえで, 逐次盛土によるせん断変形と圧密変形を解析している。解析上の仮定として, 砂層では過剰間隙水圧は発生しないとし, 変形係数はダンカン(Duncan)の提案式に初期応力と代入して決めている。なお, 現在の地盤面は一部過去に盛土されたところがあるので, 過去の盛土から解析を行っている。また, 層境界の動水傾度の不連続性については動水傾度を2層の透水係数比に逆比例させている。得られた解析結果の主なものは次のとおりである。1)実測値と解析値との比較から, 解析値は実測値より小さい。2)せん断変形と圧密変形を分離して考えることは難しい。3)解析上の側方変位は即時的であるが実測値にはタイムラグがある。4)盛土幅が圧密層より大きい場合の盛土幅中央付近における圧密沈下量は一次元圧密論による計算値に近い。
1980-03-15