堤防の耐震性と常時微動との関係について

概要

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構造物の耐震性を正確に判定することは非常に困難なことである。この論文では, 常時微動の振動特性が地盤に固有のものであること, またその振動特性が自然地震の場合にも現われることから, 常時微動を測定し解析することによって, 土木構造物の耐震性を推定する方法が述べられている。すなわち, 筆者は八郎潟中央干拓堤防と最上川河口付近の河川堤防の常時微動を測定し, 標準貫入試験, スウェーデン式貫入試験, あるいは乱さない試料の土質試験を行い, 常時微動の振動特性と地盤構造や, 新潟地震, 男鹿西方沖地震による地震被害との間に明確な相関性を見出している。最上川下流堤防の測定結果からは常時微動の波形や周期-ひん度特性, 堤頂や地盤の卓越周期と震害の間に明らかな相関関係が見出されている。また, 八郎潟中央干拓堤防の測定結果からは, 常時微動の波形や周期-ひん度特性, 堤頂や地盤の卓越周期と震害, 地盤構造の間に明らかな相関関係が見出されている。そして, この2つの地域の相関関係は共に同様の傾向を示していることを指摘している。
1979-06-15