林地用除草剤塩素酸ソーダの土壌中における行動の土壌型間差異について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
塩素酸ソーダの枯殺力が土壌条件によって異なる原因を明らかにするために,Bc,BD,BE,Blc型土壌を対象に,土壌中の薬剤の消長と各土壌型上に生育するクマイザサの根系の分布状態を調査し,検討を行った。1)塩素酸ソーダの土壌中における残効は,Blc型土壌では散布14日後で消失したが,BD,BE型土壌では30日,Bc型土壌では60日であり,除草剤の残留期間は腐植含量が少なく構造深度の浅い土壌で長い傾向が認められた。2)エンバクに対する生長阻害作用を土壌中の移動性を含めて比較すると,Bc型土壌で大きく,以下BD型,BE型,Blc型土壌の順に小さくなる。この傾向は,林地においてクマイザサを対象に行った施用試験の枯殺結果と一致した。3)各土壌型でクマイザサの根系の垂直分布を調査した結果,A層の薄いBc型土壌で根系の分布深も浅い。一方,BE型,Blc型土壌ではA層は厚く,クマイザサの根系の分布深も深い。一般に塩素酸ソーダの効果は,A層が厚く根系が土壌中深くまで分布する土壌ほど小さい傾向が認められた。
- 1980-12-25
著者
関連論文
- 林地用除草剤塩素酸ソーダの土壌中における行動の土壌型間差異について
- 泥炭地における若齢シラカンバ林の林分構造と地上部現存量の推移
- ササ刈払い後の再生力の種間差異
- 北海道におけるササ類の分布とその概況
- 有珠山噴火2年後の落葉広葉樹林の被害現状
- 有珠山噴火による噴出物のトドマツ枝葉への付着がその葉量におよぼす影響
- トラクタ集材路の林床植生と造林木の生長について
- 有珠山の地殻変動によるトドマツ人工林の被害
- 1977年有珠山噴火による広葉樹林の被害実態
- 1977〜1978年有珠山噴火による噴出物ならびに埋没森林土壌の3年間の変化
- ミンダナオ島北部の巨大ギンネム人工林の落葉落枝量
- 118. 北海道における地形, 母材と土壤型に関する研究(I) : 第3紀層地帯土壤の竪果状構造について
- 219. 円筒法による土壤理学性の測定について(第64回日本林学会大会)(ON THE 64 th MEETING OF THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY)
- 117. 伐採跡地の土壌性質の変化(第76回日本林学会大会講演要旨)
- アカエゾマツ苗木の生長と遮光期間の関係
- エゾイチゴ群落の生態と防除に関する研究(II) : 栄養繁殖による群落発達の過程
- エゾイチゴ群落の生態と防除に関する研究(I) : エゾイチゴ群落の成立と埋土種子の種類組成
- 造林地の下刈り場面における除草剤TFPの適用性と苗木におよぼす影響
- 造林地におけるつる植物の被害と防除について(研究資料)
- 造林地における木本性つる類の防除--つる切りの時期について
- 造林地の保育--下刈りと林地除草剤問題に関連して (北海道における人工造林問題)
- 道産ウダイカンバ,ミズナラの優良材生産地域に関する一知見
- 408 造林地の下刈に関する研究(第5報) : 植栽前処理時期を異にしたばあいの林床植生の変化(S)(第78回日本林学会大会)
- 304. 苗木の形態と活着(第2報) : 枝, 根量をかえて植えつけたカラマツ苗木の活着と生長(第75回日本林学会大会講演要旨)
- 130. 北海道産シナノキ類タネの発芽遅延について(第2報)(第75回日本林学会大会講演要旨)
- 621.北海道産シナノキ類のタネの発芽遅延についての研究(第1報)
- 泥炭地におけるカラマツ造林の不成績について
- 21. エゾマツ人工林の生長と養分吸収におよぼす間伐と施肥の影響(会員研究発表講演)
- 13. 北見市若松のアカエゾマツ優良造林地の養分現存量(会員研究発表講演)
- 有珠山噴火後の森林被害の推移(会員研究発表講演)
- 地下部構造からみたササ3種の生育特性(会員研究発表講演)
- 有珠山噴火後の森林植生の推移(I)(会員研究発表講演)
- 間伐様式の違いによる間伐後のB-ポイントの変化(会員研究発表講演)
- 道路作設に伴う森林伐採が周辺植生に及ぼす影響(II) : 林床植生の変化(会員研究発表講演)
- クマイザサの稈の生長過程(会員研究発表講演)
- 石狩海岸林における道路等開削後の林縁部の被害(会員研究発表講演)
- シラカンバ林の最多密度曲線(予報)(会員研究発表講演)
- クマイザサの生育におよぼす明るさの影響(会員研究発表講演)
- クマイザサ群落に対する施肥の効果(会員研究発表講演)
- 石狩海岸林カシワ林でのカシワ種子の落下から発根までの死亡要因(会員研究発表講演)
- 1977年有珠山噴火にともなう噴出物の林地への堆積状態(会員研究発表講演)
- カラマツの風害と樹冠量(会員研究発表講演)
- 22.林地除草剤の粘殺効果に関する研究(第1報) : ササ型植生における粘殺率と土壌条件との関係(会員研究発表講演)