湛水土壌中におけるタイワンヤマイ(Scirpus wallichii Nees)種子の二次休眠に及ぼす貯蔵温度の影響
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概要
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寒冷地の水田においてホタルイ類雑草の草種として発生が多いタイワンヤマイ(Scirpus wallichii Nees)について, 種子の二次休眠に及ぼす貯蔵温度の影響をイヌホタルイ(S. juncoides Roxb. var. ohwianus T. Koyama)と比較検討し, 以下の結果を得た。1) 湛水土壌中における種子の二次休眠の誘導に有効な貯蔵温度は, タイワンヤマイおよびイヌホタルイともに20〜30℃で, 温度が高いほど誘導が早かった。同じ貯蔵温度では, タイワンヤマイはイヌホタルイよりも二次休眠の誘導が遅かった。2) 一次休眠覚醒後の貯蔵温度が種子の発芽温度に影響し, タイワンヤマイでは, 貯蔵温度15℃では置床温度150℃, 貯蔵温度20℃では置床温度15〜20℃の発芽率が低かった。イヌホタルイでは, 貯蔵温度10℃では置床温度15〜20℃, 貯蔵温度15℃では置床温度15〜25℃の発芽率が低かった。3) 水田から回収したタイワンヤマイ種子を定温器内の湛水土壌中に貯蔵したところ, 貯蔵温度20℃では発芽率が低下し, 貯蔵温度10℃では発芽率が向上した。また, 貯蔵温度30℃では, 4月〜6月の回収では貯蔵中に大部分の種子が発芽し, 8月および9月の回収では貯蔵中の発芽率が67%および15%で, 貯蔵中に発芽しなかった種子の発芽率は回収時に比べて低下した。
- 日本雑草学会の論文
- 1998-10-30
著者
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