水田における表層剥離の発生機構
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
水田における表層剥離の発生機構を明らかにするために, 外見的な土壌剥離膜の変化と剥離膜内における藻類の構成割合の変化との関係を経時的に調べた。さらに剥離膜形成の初期段階における珪藻類(Bacillariophyceae)の役割を調べた。水稲栽培圃場において, 剥離膜は次のような段階を経て形成された。まず, 代かきによって地表面に浮上した微細な土壌粒子が, 珪藻類の運動によって速やかに凝集し, 淡い褐色を帯びた薄膜が形成された。その後, 珪藻類が急速に増殖し優占化することにより, 土壌粒子の凝集が更に進むとともに, 藻類の光合成作用によって生じた酸素が膜上で気泡となって浮力が生じ, 膜の浮上が始まった。次に, この浮上膜内でユレモ類(Osillatoria sp.)等の糸状の藍藻類(Cyanophyceae)の増殖が始まり, やがて, これらが優占化した。その結果, 剥離膜の表面は緑色の繊維状を呈し, これら糸状の藍藻類が凝集した土壌粒子を緊縛することにより, 剥離膜の強度はさらに増加することが判明した。
- 日本雑草学会の論文
- 1997-11-25
著者
-
則武 晃二
財団法人 日本植物調節剤研究協会
-
村岡 哲郎
財)日本植物調節剤研究協会研究所
-
村岡 哲郎
日本植物調節剤研究協会
-
鴨居 道明
日本植物調節剤研究協会事務局
-
則武 晃二
日本植物調節剤研究協会研究所
-
鴨居 道明
財団法人 日本植物調節剤研究協会
関連論文
- 在来野草等を導入したシバムギ草地およびイネ科牧草法面における植生の遷移(その2)(第39回大会)
- 在来野草等を導入したシバムギ草地およびイネ科牧草法面における植生の遷移(第38回大会)
- 除草剤の水田系外流出低減を目的とした水管理方法 : 除草剤処理後の田面露出の影響
- 24 除草剤水系流出低減を目的とした水管理法の提案 : 除草剤処理後止水管理法の検証
- 2 イヌホタルイの発根阻害作用によるスルホニルウレア抵抗性簡易検定法 : 第2報 発生現場における適用例と他草種への応用の可能
- イヌホタルイの発根阻害作用によるスルホニルウレア抵抗性簡易検定法 : 第2報 発生現場における適用例と他草種への応用の可能性
- 14 イヌホタルイの発根への影響を利用したスルホニルウレア抵抗性簡易検定法
- スルホニルウレア系除草剤抵抗性簡易検定法としての地上部再生法の確立
- 11 イヌホタルイ、コナギ、アゼナ類の地上部再生を指標にした簡易SU抵抗性検定法(3-(3)除草剤抵抗性)(3. 除草剤(植物生理活性物質を含む))
- 84 植物生育調節剤の作用に及ぼすエピブラシノライドの影響について : 第1報 BAの作用に及ぼす影響
- 1 茨城県におけるSU抵抗性コナギの出現と発根阻害作用によるSU抵抗性簡易検定法
- イヌホタルイの発根への影響を利用したスルホニルウレア抵抗性簡易検定法
- 98 ブラジル中央部の大豆作地帯における最近の問題雑草
- ブラジル中央部の大豆作地帯における最近の問題雑草
- 107 埋土種子の出芽法による水田雑草調査の一事例
- 48 飼料畑におけるショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentsu)の生態と防除に関する研究 : 第2報 塊茎の形成要因と除草剤による防除法
- 埋土種子の出芽法による水田雑草調査の一事例
- 飼料畑におけるショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)の生態と防除に関する研究
- 水田における表層剥離の発生機構
- 水田における藻類の生態と防除に関する研究 : 第2報 水稲用除草剤の処理がアオミドロ, 表土剥離の発生量に与える影響
- 飼料畑におけるショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)の生態と防除に関する研究 : 第1報 塊茎の萌芽特性および除草剤に対する感受性
- 50 水田における藻類の生態と防除に関する研究 : 第2報 水稲用除草剤の処理がアオミドロ,表土剥離の発生量に与える影響
- 30 飼料畑におけるショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)の生態と防除に関する研究 : 第1報 塊茎の萌芽特性および除草剤に対する感受性
- 水田における藻類の生態と防除に関する研究 : 第1報 発生時期および発生段階について
- テニルクロールとビリブチカルブの混用による除草効果についての研究
- ACN発泡性大型錠剤の表層剥離および藻類に対する効果
- 24 水田用殺藻剤ACNジャンボ剤の開発研究 : 第3報 表層剥離・藻類に対する効果
- 水動態施設による2除草剤の水田土壌中の挙動調査
- ACN発泡性大型錠剤の水中拡散性
- 23 水田用殺藻剤ACNジャンボ剤の開発研究 : 第2報 活性成分ACNの水中拡展性
- 水稲除草剤の投げ込み方式(ジャンボ剤)による省力化施用技術の開発
- 水稲除草剤の投げ込み方式による省力的施用技術の開発
- 116 水稲用除草剤CH-907-1kg粒剤の散布方法と作用性について第2報 : 30a圃場における作用性の検討
- 水稲用除草剤CH-907-1kg 粒剤の散布方法(額縁処理)と作用性について : 自己拡散型除草剤の散布方法の違いによる作用力の変動のついて
- 37 水田における藻類の生態と防除に関する研究 : 第1報 発生時期および発生段階について
- 8 水稲用除草剤CH-907-1kg粒剤の散布方法(額縁処理)と作用性について : 自己拡散型除草剤の散布方法の違いによる作用力の変動について
- 80 水田多年生雑草クログワイの徹底防除法の確立 : 第3報 クログワイの地上部生育と地下部生育との関係
- 77 水田多年生雑草クログワイの徹底防除法の確立 : 第2報 クログワイの塊茎形成に関与する二三の条件
- 76 水田多年生雑草クログワイの徹底防除法の確立 : 第1報 クログワイの徹底防除の必要性と根系観察装置の試作
- 13 テニルクロールとビリブチカルブの混用による除草効果についての研究
- 除草剤を利用した外来植物の防除法の可能性と課題