除草剤の水田系外流出低減を目的とした水管理方法 : 除草剤処理後の田面露出の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
水田系外への除草剤の流出低減を目的として除草剤処理後に一定期間の入排水を完全に止める「止水管理」の有効性について検討した。止水期間中に田面が露出した場合の除草効果,薬害の変動について止水期間を7日間とし,この間自然減水により田面が2〜3日露出した場合と湛水状態で経過した場合とを諸条件下(減水深の大小,試験規模,土壌,処理時期)で比較した。その結果,除草剤成分が田面水中にいきわたった後であれば,田面が露出しても除草効果及び薬害が大きく変動することはなかった。ポット試験で田面露出想定の水管理を行った場合の除草剤の土壌中移動程度は,湛水維持想定の水管理を行った場合より小さかった。除草剤処理7日後以降の田面水中濃度及び地下浸透水中濃度は,処理から7日目までの田面露出の有無に関係なく同程度に推移した。かけ流し開始時期または田面露出の有無と成分流出量の関係を調べた結果,かけ流し開始時期が遅いほど成分流出量は少なくなり,かけ流し開始前に田面が露出した場合と湛水状態で経過した場合とでは,かけ流し開始時期が同時期であれば,成分流出量は同程度であった。以上から「止水管理」は,除草剤処理直後の有効成分の水田系外流出を抑制する技術として実用性が高いと考えられる。
- 日本雑草学会の論文
- 2007-03-30
著者
関連論文
- C119 土壌くん蒸剤に対する低透過性フィルムの被覆効果 : 臭化メチルの除草効果
- 除草剤の水田系外流出低減を目的とした水管理方法 : 除草剤処理後の田面露出の影響
- 水稲生育中後期における水田雑草の発生実態調査
- 24 除草剤水系流出低減を目的とした水管理法の提案 : 除草剤処理後止水管理法の検証
- P35 水稲苗箱処理型除草剤製剤に関する一提案 : ステック型箱処理除草剤の構想(3-(5)剤型、施用法)(3. 除草剤(植物生理活性物質を含む))
- 17 水稲湛水直播栽培での活性炭素粉末添加による水稲の薬害軽減効果について
- 12 抑草剤による寒地型イネ科雑草の出穂抑制
- 2 イヌホタルイの発根阻害作用によるスルホニルウレア抵抗性簡易検定法 : 第2報 発生現場における適用例と他草種への応用の可能
- 抑草剤による寒地型イネ科雑草の出穂抑制
- イヌホタルイの発根阻害作用によるスルホニルウレア抵抗性簡易検定法 : 第2報 発生現場における適用例と他草種への応用の可能性
- 68 殺菌剤を利用した水田藻類制御の可能性とその応用
- 46 畦畔雑草群落の種組成に及ぼす抑草剤連年使用の影響
- 45 水田畦畔における雑草群落の種組成の年次変化
- 28 イヌホタルイ、タイワンヤマイ種子における光と発芽の関係
- 20 火山灰土壌における農薬の浸透移行性
- 14 イヌホタルイの発根への影響を利用したスルホニルウレア抵抗性簡易検定法
- 殺菌剤を利用した水田藻類制御の可能性とその応用
- 畦畔雑草群落の種組成に及ぼす抑草剤連年使用の影響
- 水田畦畔における雑草群落の種組成の年次変化
- イヌホタルイ、タイワンヤマイ種子における光と発芽の関係
- 火山灰土壌における農薬の浸透移行性 : カラムリーチング試験法
- 1 茨城県におけるSU抵抗性コナギの出現と発根阻害作用によるSU抵抗性簡易検定法
- イヌホタルイの発根への影響を利用したスルホニルウレア抵抗性簡易検定法
- 98 ブラジル中央部の大豆作地帯における最近の問題雑草
- ブラジル中央部の大豆作地帯における最近の問題雑草
- 107 埋土種子の出芽法による水田雑草調査の一事例
- 48 飼料畑におけるショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentsu)の生態と防除に関する研究 : 第2報 塊茎の形成要因と除草剤による防除法
- 埋土種子の出芽法による水田雑草調査の一事例
- 飼料畑におけるショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)の生態と防除に関する研究
- 水田における表層剥離の発生機構
- 水田における藻類の生態と防除に関する研究 : 第2報 水稲用除草剤の処理がアオミドロ, 表土剥離の発生量に与える影響
- 飼料畑におけるショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)の生態と防除に関する研究 : 第1報 塊茎の萌芽特性および除草剤に対する感受性
- 50 水田における藻類の生態と防除に関する研究 : 第2報 水稲用除草剤の処理がアオミドロ,表土剥離の発生量に与える影響
- 30 飼料畑におけるショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)の生態と防除に関する研究 : 第1報 塊茎の萌芽特性および除草剤に対する感受性
- 水田における藻類の生態と防除に関する研究 : 第1報 発生時期および発生段階について
- テニルクロールとビリブチカルブの混用による除草効果についての研究
- ACN発泡性大型錠剤の表層剥離および藻類に対する効果
- 24 水田用殺藻剤ACNジャンボ剤の開発研究 : 第3報 表層剥離・藻類に対する効果
- 83 イヌホタルイの休眠覚醒種子の発芽に及ぼす乾燥保存の影響
- イヌホタルイの休眠覚醒種子の発芽に及ぼす乾燥保存の影響
- 14 イヌホタルイの発芽における水分条件について
- イヌホタルイの発芽における水分条件について
- 104 水田畦畔における雑草群落の種組成の季節的変化
- 66 水田畦畔の管理方法と雑草群落組成の地域的差異
- 100 茨城北部および上信越地域における畦畔・農道の形状と植生について
- 水田畦畔における雑草群落の種組成の季節的変化
- 水田畦畔の管理方法と雑草群落組成の地域的差異
- 茨城北部および上信越地域における畦畔・農道の形状と植生について
- 16 水稲除草剤薬害評価における株周測定法の利用
- ACN発泡性大型錠剤の水中拡散性
- 23 水田用殺藻剤ACNジャンボ剤の開発研究 : 第2報 活性成分ACNの水中拡展性
- 水稲除草剤の投げ込み方式(ジャンボ剤)による省力化施用技術の開発
- 108 数種の抑草剤利用による鉄道法面の雑草管理 : 連年使用およびローテーション使用による優占雑草の変化
- 105 抑草剤を中心とした管理による水田畦畔雑草群落の種組威の変化
- 64 イヌホタルイ種子の光発芽性と生物評価試験への応用
- 抑草剤を中心とした管理による水田畦畔雑草群落の種組成の変化
- イヌホタルイ種子の光発芽性と生物評価試験への応用
- P24 圃場温度の除草剤評価システムについて
- 圃場温室の除草剤評価システムについて
- 13 テニルクロールとビリブチカルブの混用による除草効果についての研究
- 68 数種抑草剤による鉄道方面の雑草管理 : 処理当年および翌春までの効果
- 67 数種抑草剤による水田畦畔の雑草管理
- 数種抑草剤による鉄道法面の雑草管理 : 処理当年および翌春までの効果
- 数種抑草剤による水田畦畔の雑草管理