果樹園に生育するナズナの出芽戦略
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概要
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人為的に不定期に攪乱される果樹園では, 雑草種は個体群維持のうえで出芽の時期を分散させる不斉一な発生をおこなうことが重要となる。果樹園に生育するナズナの種子を採取後直ちにバットに播種し出芽能力を調査した。1個体に結実した種子は1年間にわたり断続的に出芽し, この出芽パターンは個体によって異なった。果樹園に生育するナズナは出芽を時間的に分散する能力を持つことが明らかになった。ナズナの果樹園集団における不斉一な発生の要因を明らかにするために, 育成した12系統を用いて出芽特性を調査し, それらの形質に含まれる個体内変異と遺伝変異を検定する枝分かれ分散分析をおこなった。同一個体内で, 未登熟種子は登熟した種子よりも出芽が遅れる傾向にあったが, その差は有意ではなかった。一方, 出芽率, 出芽日数, 出芽日数の変動係数には系統間で有意差がみられた。果樹園には, 遺伝的に異なる出芽パターンを示す個体が存在し, 不斉一な発生をもたらす大きな要因となっていると考えられた。また, 地表をかき混ぜるという処理で出芽パターンが変化し, 環境条件の変化も不斉一な出芽をもたらす要因の一つであることが明らかになった。
- 日本雑草学会の論文
- 1995-10-31
著者
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