キトサンおよびDグルコサミンはブタ脾細胞におけるTh1サイトカイン遺伝子を発現する(免疫学)

概要

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Dグルコサミンポリマーであるキトサンは,エビ・カニなどの甲殻類の外骨格に存在するキチンに由来する多糖体である.キトサンを投与した家畜は高い増体量を示す一方,非投与のそれに比べ疾病が少ないという効果が知られている.しかし,これらの効果は明確に解明されているとはいえない.そこで,ブタサイトカイン遺伝子の発現に対するキトサンとDグルコサミンの調節効果について,キトサンあるいはDグルコサミン存在下でブタ脾細胞を培養して,そのサイトカインmRNA発現をin vitroで検討した.キトサン処理ブタ脾細胞において,IL-2ならびにIFN-γ mRNA発現量が増加した.Dグルコサミン処理細胞で発現したサイトカインmRNAは,IL-2,IFN-γおよびIL-12 p40サブユニットのそれであった.特に,IFN-γ mRNAはIL-2 mRNAより効率よく発現し,また,Dグルコサミンはキトサンに比べより高いサイトカインmRNA発現効果を示した.これらの結果は,キトサンならびにDグルコサミンは,IL-2,IFN-γなどのTh1サイトカインmRNAを発現することを示唆する.
2002-07-25