ウサギ冠動脈平滑筋におけるリゾフォスファチジルコリンによる遅延整流性K電流の減少
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概要
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リゾフォスファチジルコリン(LPC)は低密度リポタンパク質の脂質分画に多く含まれ,受容体刺激による収縮と細胞内Ca量の増加に関与することが示唆されている.本研究ではウサギ冠動脈平滑筋においてパッチクランプ法を用いて,静止時における膜電位と収縮張力に大きな役割を果たしている遅延整流性K電流(Idk)に対するLPCの作用を検討した.外液にLPCを投与するとIdkは濃度依存性に抑制され,その50%抑制濃度は1.51μMであった。Idkに対するLPCの抑制作用は,外液からLPCを除去すると容易に回復した.LPCの細胞内投与,細胞外投与のいずれの場合にも,Idkの定常状態における電位依存性はプラスの方向にシフトした.スタウロスポリン(100nM)はLPCのIdk抑制作用を優位に抑制した.これらの成績からウサギ冠動脈平滑筋においてLPCはCキナーゼ依存性の経路よりIdkを抑制すること,そしてLPCによるIdkの抑制はアテローム性動脈硬化を起こした冠動脈の異常収縮の少なくとも一部の原因であろうと考える.
- 2001-04-25
著者
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KWON Seongchun
Department of Physiology, College of Medicine, Kwandong University
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Kwon S
Department Of Physiology College Of Medicine Kwandong University
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Kwon Seongchun
Department Of Physiology College Of Medicine Yonsei University
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Ahn Ducksun
Department Of Physiology College Of Medicine Yonsei University
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Yeon Dongsoo
Department Of Physiology College Of Medicine Yonsei University
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Nam Taicksang
Department Of Physiology College Of Medicine Yonsei University
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