び漫性メサンギウム硬化症のマウスモデル(ICGN系)における尿細管間質線維症の分子機構の免疫組織化学解析
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概要
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び漫性メサンギウム硬化症(DMS)は遺伝性糸球体疾患の1つであり, 組織学的には重度の糸球体硬化と尿細管間質線維症(TIF)を特徴とする.DMS患者では腎機能障害は糸球体病変よりもTIFとよく相関することから, 本症でのTIF進展分子機構の解明が待たれていた.我々はネフローゼ自然発症ICGNマウスがDMS様病変を発現し, TIFの進展に一致して腎機能低下を示すことを報告した.今回, このモデルを用いてDMS発症後のTIF進展に関与する線維化の機序を調べた.免疫組織化学的な解析によって, β型形質転換増殖因子(TGF-β)の発現は, DMSの初期病変では間質細胞で稀であったが, 末期ではTGF-βの発現は顕著となった.血小板由来増殖因子(PDGF)はDMS初期で遠位尿細管に軽度にみられ, 末期ではこのPDGF発現は明らかに増加した.α-平滑筋アクチン陽性の筋線維芽細胞はDMSの末期で間質領域で顕著に観察され, これらの分子発現の増強に一致してTIFも重度に認められた.以上の結果から, このマウスはTIF進展において, 1)持続する蛋白尿がTGF-βとPDGFの発現を増強する.2)これらのサイトカインは間質で筋線維芽細胞を過剰に蓄積させる.3)筋線維芽細胞が間質で線維性基質を産生する.以上の過程が考えられ, この事象はDMS患者のTIF病理発生にも関与している可能性が示唆される.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2001-03-25
著者
-
水野 信哉
大阪大学医学系研究科未来医療開発専攻組織再生医学講座分子組織再生分野
-
黒澤 努
大阪大学医学部附属動物実験施設
-
水野 洋子
大阪大学 大学院医学系研究科・組織再生医学講座・分子組織再生分野
-
黒澤 努
帝京大学第1外科
-
黒沢 努
帝京大学 第1外科
-
黒澤 努
大阪大学医学部動物実験施設
-
水野 洋子
大阪大学医学部附属動物実験施設
-
水野 信哉
大阪大学大学院医学系研究科附属動物実験施設
-
黒澤 努
日本実験動物環境研究会
-
黒澤 努
大阪大学医学部
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