若齢の雄御崎馬のハーレム形成に関わる因子

概要

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若い御崎雄馬(南九州に生息)が新たなハーレムを形成する上でどの様に雌馬を得るのか,また新たなハーレム形成に関わる要因について過去12年間の行動調査結果をもとに解析した.若い雄馬は3.8歳から7.6歳の間にハーレムを形成し始め,形成時期の98%が繁殖期の開始時であった.若い雄馬が新たなハーレムを形成する上で最も共通して取られた方法は,その87%がグループから離れてさまよっている雌馬を得ることであり,13%が特定の群を出たり入ったりしている雌馬を奪うことであった.すべての若い雄馬が平均5.2歳の若い年齢でハーレムを形成できたと言う事実は,雌馬の高い性比率(3:1)から,あるいは種馬1頭あたりに対し明らかに特定のハーレムに所属しているとは言えない雌馬が多い(25:1)ことから説明できるかもしれない.新しいハーレムを形成する時には,多くの場合,不安定な雌馬を囲い込もことによってハーレムを形成するため,攻撃,闘争,あるいは雌に対するハーディングや追い回しは認められなかった.
社団法人日本獣医学会の論文
1999-06-25