北海道に発生した牛痘様疾患について : I. ウイルスの分離
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概要
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1962年秋北海道各地に牛痘様疾患の比較的大きな発生があり, その由来は不明であったが, 臨床所見は BLAXALL (1930)の記載する牛痘とよく一致するものであった. 患牛15例から皮膚病変18材料を得てウイルスの分離を試みた. 家兎(角膜, 皮膚, 睾丸), 孵化鶏卵漿尿膜, 培養細抱(HeLa, 牛腎, 家兎睾丸, 家兎腎)には分離することができず, 試験牛皮膚接種により第1号牛では17接種材料中3例, 第2号牛では17材料中5例に陽性成績を示した. 試験牛初代材料を以てする漿尿膜, 培養細胞への分離試験は陰性に了ったが, 試験牛2代材料では漿尿膜, 培養細胞には陰性であったが家兎皮膚には発痘を見た. この家兎皮膚2代材料は初代材料に比して家兎皮膚に対する発疹性を増すと共にHeLa細胞にも細胞変性作用を呈したが, なお漿尿膜にはポックを形成しなかった. ところが, 家兎皮膚初代材料を接種し腫脹, 出血を示した家兎睾丸材料を漿尿膜上に接種したところポックを生じ, また HeLa のほか, 牛腎, 家兎睾丸, 家兎腎細胞にも細胞変性作用を示し, かくて2株のウイルスを漿尿膜, その他に分離継代することができた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1964-02-25
著者
-
伊沢 久夫
北研
-
松本 邦人
北研
-
斎藤 保二
北研
-
岩淵 秀夫
北研
-
添川 正夫
北里家畜衛生研究所
-
松本 邦人
北里家畜衛生研究所
-
伊沢 久夫
北里家畜衛生研究所
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岩淵 秀夫
北里家畜衛生研究所
-
高橋 喜八郎
北里家畜衛生研究所
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斎藤 保二
北里家畜衛生研究所
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